BLOG

足を運んだ先に、記憶に残る服

—『書を捨てよ、町へ出よう』。
「映画館の暗闇の中で、そうやって待っていたって何も始まらないよ」と観客に投げかけながら始まるその映画は1971年のものだ。

2018年、いわゆる“書”は、今や手のひらサイズに収まるようになった。
その書は、何だってできる。
カメラにも、ビデオにも、ボイスレコーダーにも。
映画だって観られるし、情報の海に乗れば、買い物も、出会いも、切符にもなるし、表現の場にだってなる。

だけど、記憶が記録されるものになったとて、
人間が生まれながらにして忘れんぼうなことは、いつまでも変わらない。
そうでありながら、忘れたくないって思う心も変わらない。
だったらせめて、少しでも、記憶に残る方を選んで生きていたい。

Instagramを開くと、そこは洋服の海だ。
可愛い!と思う。いいね!っていう。どちらの感覚もいいと思う。
でも、手のひらの書には、枠がある。
スクリーンに映るものがあるのだから、スクリーンに見切れているものは、それ以上にあるはずなのだ。
映画に映った窓の外で、もっと映画になるような物語が起きているかもしれない。物語はいつも、枠の外へと流れていく。
描かれていない出来事の連続が、本当の意味で映画を完成させていくように。

枠の外が気にならない? 窓の外に行ってみない?
同じ洋服の海なら、本物の海で泳がない?
海の色は想像以上の色かも。思っているより波があるかも。
誰かと一緒に泳ぐことになるかもしれないし、帰り道にはきっとお腹が空いて、どこかに寄り道するかもしれない。
そして多分、それが“記憶”っていうやつかもしれない。

Instagram、twitter大いに結構だ。
誰しもが指の腹を動かせばカリスマにだってなりうる時代。
個人の時代がやってきたのだ。それはそれで素晴らしい。
だけど、枠があることに慣れたくない。

「昔は良かった」って言いたくない。
生きていくのは今からだからだ。
手のひらが全てじゃないから、今こそ、町へ出よう。
スマホを捨てなくてもいいから、お店に行こう。

ここでしか会えないもの、が待っている。
だから会いに行く、スクリーンの向こうから。
落ち合いましょう、枠の外で。
鮮烈な記憶の中で。

text: Miiki Sugita
photo: Shintaro Yoshimatsu
model: 7A
styling: CaNARi

APP

ご利用の際にアプリをご提示ください。アプリ内にスタンプが貯められます。たくさん貯めていただくと次回使える特典をご用意しております。
また、イベント情報、最新のお知らせはもちろん、限定のお得情報がアプリに届きます。イベント好きなら確認したい情報もお届けしますので是非ご確認ください!

TOP OF PAGE